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 シドハース・カーラ『性的人身売買』

 冷戦崩壊後、グローバル資本主義の全地球化によって、劇的に「性的人身売買」が増え続けていることを調査・批判した本です。

 旧ソ連・東欧圏の崩壊により、ルーマニア、モルドバァ、ウクライナ、それにチェコなどから「性奴隷」として、毎年数十万以上の女性がイタリア、米国などに「輸出」されている。ウクライナは、社会主義崩壊後、経済的にはドイツの経済的植民地になり、主要な外貨獲得源は「代理母出産」とななった。

 南アジアでは、パキスタン、インド、バングラデシュからタイへ数百万規模で「輸送」される。タイでは、農村地域の「児童」が都市へやはり「性奴隷」として売られ、そこには北側の男性達(及び南側の富裕層)が、群れをなして「買春」に訪れる。

 この「性奴隷ビジネス」が急成長した直接の原因は、麻薬ビジネス以上の収益率の高さ、とされる。しかし、著者は、背景にあるのは、社会主義崩壊後の新自由主義の全面化にあるとし、特に東欧に関してはIMFに直接の責任があるとする。

 ところで、この本を「朝日」で書評した人、「性的人身売買」を「非合法化すべき」と「眠たい」ことを言っていたけれども、当然すでに人身売買は「非合法」なのである。要するに、書評者、この本を読んでないのである。

 

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