イスラエル軍参謀総長は、「数ヶ月以内にレバノン南部のヒズボラとの本格的な戦争が始まる」と予告。
イスラエルのイランを挑発する中東動乱へ向けた戦争拡大方針がさらに明確になった形だ。
ヒズボラーはフーシ派と同じくシーア派民兵組織でイランの支援を受けている。
他方、ハマスはエジプトのムスリム同胞団から派生したスンニ派組織で、元来イランとの関係はない。
最近、頻りに米英がフーシ派を攻撃してイランを挑発しているが、イスラエルもこれに呼応して、イランの(微弱な)支援を受けるヒズボラーを攻撃し、あわよくば反イラン感情が強い他の欧州諸国も巻き込もう、ということだろう。
イランの方は、中東といっても元来「ペルシア」でアラブではない。宗派は18世紀以降はシーア派中心である。であるから、大義名分の上でも、安全保障上も、今はイスラエルや米国の挑発を必死に堪えている状態。
国内では「英雄」だった革命防衛隊司令官ソレイマニの米軍による爆殺も必死に堪えた。言葉の上では声高に「報復」を唱えたが、やったと言えば人のいない所を選んでミサイルを少し打ち込んだだけ。
ところで、レバノンはれっきとした独立国家である。ここに堂々と「戦争」を宣言するイスラエル、もはや国際社会における「ならず者」という他ない。