1994年に小選挙区制に移行して、今年でちょうど30年になる。
現在、小選挙区制へに移行を「政治改革」と称した山口二郎、佐々木毅など政治学者、行政学者は、今になって「あれは失敗だった」と反省。当時の政権中枢の河野・細川両氏も「拙速」を認める。こんな人=一般人を馬鹿にした話はない。
この時の分かりやすい大義名分は派閥と結びついた「政治とカネ」の繋がりを断ち切る、というもの。これが嘘八百であったことは、今の安倍派(森派)の「裏金システム」騒動を見ても一目瞭然である。
政治学者・行政学者の当時の言い分は、
1)保守・リベラルの政権交代が可能な二大政党制
2)内閣府に権力を集中することで迅速な意思決定ができる。これによって官僚支配と派閥政治を克服できる
3)中選挙区制、はては参議院は民意を代表していない
というもの。
1)に関しては、新自由主義とメディア操作された極右ポピュリズムが混然一体となった二大政党制。挙句の果てに自民党と維新の二大政党制の可能性が発生。
2)内閣府に権力が集中することで、従来不可能だった「稀代の悪法」の短期間の連続成立が可能になった。
3)小選挙区制によって新自由主義的再編への歯止めはなくなり、格差は劇的に拡大。絶望した有権者の多くは棄権に回った。