どうも自称「経済安全保障アナリスト」が学術会議を「悪の巣窟」として、とりわけ「人文系」への「資金の流れを断て」と叫んで話題になっているらしい。

　この平井という人物、何者かと思ったら、「日本戦略フォーラム」に飼われている人だった。

　日本戦略フォーラム、安倍晋三、葛西敬之（元JR東海会長）と永久顧問とする、日本の極右系の団体である。会長の屋山太郎は笹川（日本）財団の関係者でもある。

　屋山太郎の時事通信時代からの盟友に田久保忠衛がいる。田久保も自称「政治学者」、いわずとしれた「日本会議」会長である。

　ところで、この田久保の師匠が土屋清。1933生の土屋は評論家の肩書で「時事放談」で十年レギュラーをしながら、政府の各種審議会の委員として暗躍。

　1966年に経済成長下の物価高、特に都市部の不動産価格、消費価格高騰に対応するために中山伊知郎（シュンペーターの弟子）委員長、責任者都留重人、伊藤光晴の委員会が開かれた。
　そこで不動産投機などを規制する案が出ると、土屋は「私有財産不可侵」を振り回して反対。担当課長が我妻栄、宮沢俊儀を引いて「公共の福祉」論を述べた所、「あんな極左学者達の戯言！」と叫んで、中山に退出を命じられた。
　我妻栄、宮沢を「極左」と呼ぶ感覚、しっかりと伝承されているようだ。