『四つの未来』ピーター・フレイズ、「ポスト資本主義を展望するための四類型」、訳者の酒井隆史さんからご恵贈いただきました。ありがとうございます!
しかし、酒井さん、つい先日あの『万物の黎明』を、明快かつ流麗な文体の個人訳で上梓したところである。ある意味、超人的な仕事振りと言えるだろう。
著者のフレイズは2011年の創刊以来英語圏で際立った存在感を示している雑誌、『ジャコバン』の中心メンバーの一人。
英語圏で「ジャコバン」というのがまた興味深い。英語圏の伝統的な政治学・政治思想では「ジャコバン」は基本的に「ネガティヴ」なコノテーションをもつからだ。
フレイズは、いわゆる「ジェネレーション・レフト」を代表する世代の人であり、、アメリカ民主社会主義者同盟のハドソンバレー支部副委員長でもある。
このグループは日本では「民主党急進派」と呼ばれ、オコシオ・コルテスやパレスティナ系初の連邦議員ラシダ・タリーブが知られている。ラシダ・タリーブが、現在進行中のガザの大虐殺に絡んで、つい先日、いわれなき=恥ずべき「問責決議」を米下院で受けたことは記憶にあたらしいだろう。
日本でも『ジャコバン』やオカシオ・コルテス、ラシラ・タリーヴに対応する言説や運動が切に求められている、と言えましょう。