ちょっと信じがたいだが、どうも筒井康隆が、今「パレスティナで死んでいる人々」に対して、無茶苦茶なことを言っているらしい。
これは、もう筒井の年齢を考えても、そうしたものを出版する編集者の責任だろう。
筒井に限らないが、日本のTVバラエティー番組文化、80年代から「社会的弱者」への「タブー」を破ることにだけ「腕によりをかけてきた」。
これを「禁忌」と「侵犯」などと現代思想ジャーゴンで正当化していたのが、80年代ポストモダニズム@Japanである。
90年代にはG.アガンベンの主権論の翻訳に「人権の彼方に」という滑稽なサブタイトルをつけることまで行われた(原著にはない)。
その当時この本は私の周りでは極めて不評であり、まず「人権」の手前に留まる思考が必要なのではないか?と批判されていた。
さて、芸能における「笑い」に戻ると、そもそもTV芸能人が、政治的権力を「愚弄」する笑いを創造した、という話を聞いたことがない。
これは、そもそもTVというメディアからして元来不可能なものと言えばそれまである。
いずれにしても、なにはともあれ、自分は「他人を嘲笑う」側にいないと実存的不安を感じるという感性の行きつく先が「ひろゆき」ではないのか?