安部派の松川るいが国会答弁中に「あの恥ずかしい憲法前文」と薄ら笑いを浮かべながら言ってのけた場面をみなさん、ご記憶でしょうか?
安部派(日本会議派)を中心とする極右が憲法前文と第三章人権を憎悪する歴史的背景があります。
敗戦後、SCAPは幣原内閣に新憲法作成の指示を出します。しかし日本側草案では、1-4の天皇主権項目は、表現を和らげただけで、中身は全く同じ。その上、権利条項は何もありませんでした。
これはマッカーサーというよりはSCAP内の民政局に拒否され、民間の憲法研究会(高野岩三郎座長)の案をベースにした民政局案と日本側との交渉になります。
そこでなんと日本側は、憲法前文全文削除の日本語原文を提出した。この「小細工」はたちまち見破られ、元に戻されます。
しかし当時日本側法制官僚は、一人徹夜で「人権」項目に縮減することにある程度成功。
その最たるものが、国籍条項。原案では「出身国を問わず」と朝鮮人・中国人の「法の下の平等を保障」の文言があったのですが、日本側はこれを削除させた。
しかし、前文、両性の平等、部落差別の撤廃、家制度の廃止、については「押しつけ」との「憎しみ」が日本の支配エリートの中に沈殿していく。
この憎しみの記憶が松川るいの表情に現れたのでしょう。