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WWII中のユーゴスラビアー坂口尚とE.クストリツァ(中)

ただし、安彦の場合、『神武』など古代を扱ったものは当然として、前述の『王道の狗』でも、妙な「平和主義」者「天皇」を「尊崇」するメッセージが常にあります。まあ、一種の『平成天皇、平和へのメッセージ』の漫画版、というところでしょうか。

『石の花』の方は、そうした疑問点はほとんどなく、いわば完全に「大人用の漫画」です。

強制収容所の長い描写のエピソードなどは、かなり「リアル」で、これは、「15歳以下」にはちょっときついかも、です。

それにしても、この漫画が描かれて5年余りで冷戦は崩壊。続いて、今日からは時期尚早であったとされるドイツの「スロヴェニア」、「クロアチア」独立承認からはじまった戦争によって、ユーゴスラビアは再び悲惨な内戦に突入、解体。

現在、経済的には完全にドイツの支配下に入ったことを考えると、感慨深いものがあります。

ちなみに、WWII中、ナチス・ドイツは「クロアチア」を「ユーゴスラビア」から独立させ、枢軸側に国家として「同盟」させていました。チェコから「スロバキア」を独立させたのも同じ文脈です。

クロアチア、スロバキアは、ハンガリー、ルーマニア、ブルカリアとともに、ドイツの同盟国としてソ連に侵入していました。(続く)
 

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