「ミッシング」(1982 )と「イル・ポスティーノ」(1994)ー「グローバル冷戦」下のチリ
以前投稿したように、1964年のブラジル及び1965年のインドネシアで確立された「ジャカルタ・メソッド」は、世界中で応用されていきます。
日本で有名な例は1973・3・11のピノチェトによるクーデターでしょう。
「ミッシング」は自身、冷戦下のギリシア軍事政権から亡命したコスタ=ガブラス監督のもの。米国・カナダ製作でカンヌでパルムドール。
「イル・ポスティーノ」は1950年代共産党員であったためにチリを追われたP.ネルーダとイタリアの子島の青年の交流を描いています。ネルーダはアジェンデ政権の下駐仏大使。1971年にノーベル文学賞
を受賞した後、72年に帰国。クーデターの際、急死(死因については諸説あり)。
『百年の孤独』で有名なコロンビアのガルシア=マルケスはチリ出身のシネアスト、ミゲル・リティンと協力した『戒厳令下チリ潜入記』を著しました(岩波新書あり)。
南太平洋の両岸での軍事クーデター、「アクト・オブ・キリング」、「ルック・オブ・サイレンス」と並んで、この二つの映画を観ることでより具体的にイメージできると思われます。