「人文学と社会科学の架橋」
何度か、人文学と社会科学の架橋の必要性について投稿してきました。
2000年代に「ディアスポラ」と「新自由主義グローバリズム」双方について、この視点から思想史、文学、歴史学、政治学、経済学など専門を異とする人々と共同研究を行いました。
「ディアスポラ」研究は、ポストコロニアル研究の延長線上でもあり、当時の日本としては先駆的なものであったと思います。ただ、栗田禎子先生の「伝説の締め切り破り」のために発刊1年半は遅れましたけれども。
こちらの研究に参加、ご寄稿いただいた多くの方が「歴史学研究会」編の「歴史学のアクチュアリティ」に参加していらっしゃいます。
人文学の細分化と社会科学の体制化の中、現在直面している新自由主義グローバリズムと近代世界システムの危機を長期・中期・短期それぞれの次元において、分析・叙述する中で、新しい学問、批判理論を練り上げることが求められている、と思われます。
『移動と革命ーディアスポラたちの世界史』(2012)
『歴史学のアクチュアリティ』(2013)
『近代世界システムと新自由主義グローバリズム』(2014)
です。現在でも古くなるどころますます「アクチュアリティ」を増し続ける研究となっています。
時間が経っても、「古くならない」、むしろ「再読」によって「新しくなる」これはやはり思想に媒介された人文学理論の醍醐味です。