「主婦マリーがしたこと」中
ともあれ、降伏したフランスはpペタン元帥を首班とするヴィシー政権となり、1789年以来の「自由・平等・友愛」にかえて「家族・労働・祖国」をスローガンにした「国民革命」を主導した。
戦後直後の「神話」と異なり、旧フランス共和国の高等行政官(警察はとうぜん)は、ジャン・ムーランを除いてすべてヴィシーに忠誠を誓った。
ヴィシーの「政党」、「官僚」、「知識人」の「コラボラシオン 協力」を体系的に明らかにしたR.パクストンの「ヴィシー・フランス 1940-44」はその意味でまさに「パクストン革命」の名にふさわしい名著だった。
ちなみに戦争末期に拷問によって殺されたジャン・ムーランはド・ゴール派の「英雄」とされ、今に至るまでフランスではやたらと有名人です。
パンテオンに入る際のアンドレ・マルローのむやみに「荘重な」演説もフランス映画で・・・しばしばアイロニーのニュアンスで・・・引用されています。サルトルとマルローを自らの「守護天使 ange gardien」と称するゴダールの「映画史」にもムーランは頻繁に登場します。