映画『そばかす』
途中しんどいシーンがたくさんあって(もちろん救われるシーンもたくさんある。前田敦子の演じる友人とのやりとりはどれもよかった)、アロマンティックやアセクシャルはやはり孤独で理解もされず、誰かと手を取り合って生きていくことなど望めないという結末なのか…と諦めかけていたところに、ラストの佳純と天藤のやりとりで撃ち抜かれた映画だった。「同じような人がいて、どっかで生きているならそれでいいやって思いました」というような台詞があって、香純が走り出す躍動感のある結末。
一人ひとり別々に生きていて、離れて存在している。けれども自分も知らないうちにどこかで誰かと繋がっているかもしれないと、そう感じられることそのものによって救われたのだろう香純の感覚に、自分もすごく共感して、泣いてしまった。
誰かにいつも隣にいてほしいんじゃなくて、離れていてもひとりじゃないと思えることこそが、私にとっては大切なんだと気づかせてくれた映画。