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『習得への情熱―チェスから武術へ』(ジョッシュ・ウェイツキン)

チェスで全米チャンプになった後に推手(太極拳)の世界大会で優勝したという異色の経歴を持つ著者による「上達」に関するエッセイ風味の一冊。
上達とは、基礎段階、推移段階および応用段階に分かれる。上達の基礎段階を決定づけるのは、習得する物事に関するアプローチだ。アプローチには「得意だから達成できた」と「頑張ったから達成できた」との二種類が存在する。このうち後者の方が、物事に対する見方が理論的になり、能力は漸次的に増大し、ついに熟達する。前者は、能力が実体として固定されたものだと思い込んで、熟達への道が閉ざされている。
推移段階では、あえて複雑さを取り払ったシンプルな状態で物事に取り組む。これにより、物事の本質をよりクリアに習得することができる。
応用段階では、本質同士を組み合わせ、それらを無意識に取り出せる一つの「チャンク」へと昇華させる。当初は意識的にしか組み合わせることのできなかった複数の本質だが、やがて一連の手続き=チャンクとして無意識に扱うことができるようになる。本質を細かく刻み、組み合わせ、無意識に扱えるようにする。これこそが「上達」だ。
amzn.to/3KYWm6M

1トゥートにまとめるために論点を相当絞って書いたので、少しでも興味のある方は買って読むよろしよ。

例えば、スポーツで良く言われる「ゾーン」に意図的に入れるようになるためのメカニズムが詳述されています。また、私がこの半年近く取り組んでいる「今ここに集中すること(=「瞑想」的な考え方)」についても結構なページが割かれておりその点でも自分に引き寄せて読むことができました。

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