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『クロノス・ジョウンターの伝説』より「吹原和彦の軌跡」(梶尾真治)

タイムマシン×ロマンスもの。制限時間付きでしか過去に戻れないタイムマシン、しかも現代には帰れずに未来に帰還させられるという代物を使って過去に戻り、愛する女性を事故から救おうとする男性のお話。
恋は盲目を地で行く男性がいじらしく、思わず手に汗を握ってしまった。彼と彼女の(事実上の)遺物が……というラストなのだが、最後に遺されたアイテムが物語の行く末を暗示するのは「美亜に贈る真珠」でもそうだった。得意のパターンなのだろうか? 短編 SF に相応しい余韻を遺したラストで巧みだ。現代では忘れられた作家になりつつあるのが不思議なくらい。

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