私は「やさしさ」とは結局自己と他者の間でしか生まれないものと思っており、他者とは根本的に「わかり合えない」ものである以上、「やさしさ」には同時に他者を傷つける「痛み」も伴っているとも思ってますが、だけど「やさしい」人たちが生きづらい世の中であってほしくない。だからこそ「相手と逃げずに対話をしよう」「相手を傷付け、傷付けられることを怖がらずに、本心で話し合おう」というラストのメッセージ、その為の「他者との対話」には自己の基盤を強固する意味で「自己との対話」がベースにある以上、他人の言葉や考えに流されずに先ずは一旦自分で考えること、「“ぬいぐるみ”との対話」を通して自己と向き合うことの肯定がなされた今作に出会えて嬉しかったです。