『密輸 1970』概ね楽しめたんだけど、私この監督の映画ってどうも「それ以上」にならないんだよな……そんな複雑にせんでも…100分で撮れる話に絞ってから120分にしようやーって思いがちで(全部見てるわけではないのだが)。筋を無駄にややこしくしなくても「勝つこと」が最初からわかってる話なんだから!という意味で今のところ『ベテラン』が「んな無茶な」の割り切り方が上手でいちばん好きなのは変わらず。筋を「実はこうでした」を繰り返してごちゃつかせるよりもひっくり返しを最終戦一発に絞って、主役たち以外を含めての事情のある女たちのキャラクター映画にしてあったほうが正直好みだったかな(ヨム・ジョンアつながりでいうと『明日へ』は本当にここがうまかった)。
とはいえこのびっくりするほど元気さと(私にはちょっと過剰に思えるけど)「楽しませます!」精神は嬉しいもので、あんな間髪入れないビンタ応酬とか久々に見られたし、韓国アクション映画おなじみ手近なものでドーン!が海中にも出てくるのに笑ったし、とにかくギターのチャカポコチャカポコが素晴らしく、あれが鳴るだけで話が暗くならないんだよな。そしてみんな声が大きい。
あとチュンジャという名前。74年に30代(だよね?)だと「子」がつけられてた時代に生まれた人たちの話になるんだよなー