myFFF『スペアキー』も良作で、感情を表に出さないタイプの15歳が他者を知り自分になる一歩の話としてそこまで大人ぶることだったり恋愛や性に比重が置かれてないとこがよかったな。全然ないわけではないあたりがそういうもんだよね、と。
主人公、年齢よりしっかりした子(であることを求められてきたから、と考えるとせつない)ではあるけど、ときどき年齢なりのこどもー!なとこが見えるので、それはそれでヒヤヒヤが増す。チャップリン映画にケラケラ笑い、プールからあがらない。
移動するとき(自転車のシーンの「このときはひとり」感がとてもいい)以外は画面内に存在する音楽以外をなるべく廃してたと思うんだけど、ストイックにはなりすぎてなくて、そのバランス感覚もよかったと思う。母親の描き方がダメな人一辺倒にはなってないのにも好感。まあダメではあるけど。そういうもんだよね(2回目)
家族がワチャワチャしてるのでいつも小間使いみたいな扱いをされてるが、別に家族が嫌いなのではなく、ひとりになれないストレスが…を一言も他人に打ち明けない、咥え煙草の15歳のハードボイルド。自分ひとりの部屋はなくても、ラストにはもう「わたしは1人であること」をわかって立っている、という構図も良かった。