『終わらない週末』私はまあまあ面白く見たんだけど(第一幕のタンカーのとことかよくわからないときがいちばんよかったんだが、ラストもきっとそうくるな?予想どおりに終わるのも可笑しかった)さすがに面白く見た理由のいちばんのところを表立っては言えない。こっちでも言わない。でも本音としてそう思ってる自分を否定する気はない、のですが、なので全体的にゴニョゴニョした奥歯にものの挟まったような言い方にはなるわね。
緊張関係の持ち込み方以外は割と伝統的な妄想というか偏執というかで、そうたいした話ではない、が本当のところだと思いますが、タイミングがタイミングなのでなあ。システムは止められなくて頂点でさえ離脱可能性があるのみ、を今のアメリカ映画として見るとつらいもんがある
異様に凝った画面(意味ない俯瞰、意味ない水平垂直移動、意味ないワンショット壁抜け、が意味あるものと混在して全体に意味を失わせる)引っ張るスタイル先行でこういう寓話をやるのも、その見せ方も嫌いではないのだが、どうも「映画見てる感」は薄かった。でもこれこそ今の感覚についていけてなさではあるのかなー。それゆえに終始他人事にできたというのも楽しめた理由になってるあたり複雑だが…
世界の終わりの話が好きな監督の多くには割とこの人は人間を好きなんじゃないかなーと思うこと多いのだけど、サム・エスメイルはあんま人間が好きでない側の人なのかなと思った。人間大嫌いだけどこんなことになるなんて、他の人に会えるならなんでもする、と言わせておきつつ、そう思ってない感じといいますか。冷笑的ですらなく、ただ「どうでもいい…」って顔をしてる気がした。