理想郷、面白いというかよくできているぶん、ハア…となるやつで、ここまでハア…な感じが強いとそんなに好みではないんだけど(うちの県でも起きとるよ多分)見応えあるサスペンス?サスペンスというか…現実?だった。どうするよこれ、に対して「…」しか出てこない。最近そういうの増えてる気もする。創作において広義の「田舎者は馬鹿にしていい」の時代が長かったので、そこが見直されてるのはよいのではと思う。でもやっぱり男性社会のやなとこ煮凝りみたいなシーンつらいですが…
後半の廃屋だらけのギョッとする寒々しさでドン引きする娘の感覚をとらえたショットが良かったな。冬なのがいいの。
アントワーヌがもさもさーっとデカくて目つきのするどいドゥニ・メノーシェ(物騒なジャガイモ界の至宝…いや物騒なジャガイモ界、他にいるか?)なのがいいんだよな。いかにも都会の優男ってタイプだったらこの流れにはそもそもならなかったのだよなきっと…前半では対立ではないあり方を探ることができなかったともいえるんだよな…という意味で田舎にきた都会の人と出られないまま田舎にいる人についてのコメンタリーかと思ってたら割と男性性へのコメンタリー的な作品なのだった。