『イノセンツ』これは劇場で見てよかった!こどもをなめない(純粋無垢でないのは当然なんだが、悪さに関する罪悪感や気分のムラやわかることわからないことのラインの大人にわからなさがすごいうまい脚本)北欧映画の面目躍如、すごくよいホラーだ。

あの特有のモヤっとした薄暗さ、夏なのにひんやりした感覚が無機質な団地空間の異次元感をグッと高めているのがいいのよね。

しかし物語よりサイキック描写より何より、これはこどもたちの背丈、その全身で世界を感じとっているのを見事に映し取った撮影、風の使い方が全部好み。あの裏山、素晴らしい演技ね(山が演技してる気がしたの…本当に…)

冒頭の発話ではなく音としての断続的に響く声から音響もいちいち鋭く、ずっと何かをざわめかせ続けてるのもホラー的にとても心地よい不穏。何かが起きる起きないにかかわらず、そこに何かが蠢いてるのをこどもたちの小さな身体、薄い皮膚、やわらかな産毛だけが感じ取っている。

団地が「世界」になっているこどもたちの話だからこそ小さな世界の巨大さがちゃんと見えるのいいよな…誰も知らない悲愴な覚悟でひと夏を終わらせる厳しさもさすが。今回のエスキル・ヴォクトは変映画ではなく超正統派。

比較的スクリーンサイズあるとこでやってくれた天パラに感謝。なお私は童夢未読。

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全然違う話だけど、なんとなく思い出してたのは『僕のまわりの悪魔』こどもさんはいろんなことをわかってるようなわかってないような x.com/vertigonote/status/82825

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