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風起こるたびに散る葉や珈琲の味

コーヒーというのは秋の雰囲気のある飲み物だと思う。何しろ、コーヒーフィルターを通して雫が落ちる。カップになみなみと流れ落ちる。飲むと香りが立ちつつ喉から胃へと滑り落ちる。と、何やら落ちるイメージが湧く飲み物で、そこが葉の落ちる秋という季節とイメージと合うのだよな…こんなふうに思うのは私だけだろうか。ときに、この俳句の「珈琲の味」というフレーズ、「カフェのあじ」と読めば5・7・5に綺麗に収まる。「コーヒーのあじ」と読むと派手に字余りすることになる。私はどう読ませたいかというと、実はどっちとも決めていない。ルビが振られていない字を作者はどう読ませたかったかはそれだけで文学研究の対象になる大問題だと以前どこかで読んだことがあるが。

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