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『ロータス 新装2版』(柳川麻衣/痛覚)読み終えた。
思えばこの物語に出会ったのは10年前のことで、それからずっと、お守りのように胸に抱いていた。蓮実と桃重という、少女期を共に過ごした二人を中心に、出身校に縁のある少女たちの強い結びつきの「二人」という関係を辿ってゆく。
「ずっと一緒にいようね」と言い合う大切な女友達が、いつのまにか男のところへいってしまい、「私だけが取り残される」……いまもその渦中にあるけれど、友人が窮地にある時「一緒に住めないか」「私のところへおいで」と言いたいけれど言えない、言ってしまう、その苛立たしく掻きむしりたくなるような感覚に、寄り添って希望をくれる。
とびきりの少女小説は?と聞かれたら、わたしは『ロータス』を挙げる。失ってしまった少女期と、今も道が交わることを祈りながら歩いていることへの慈しみを込めて。

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