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『おるが水俣』(鬼塚巌/現代書館)読み終えた。
水俣病の原因となる有機水銀を排出していたチッソに15歳から55歳まで勤めていた筆者の自伝。自伝だが、チッソの社内や工場内の図解も豊富。社内を二分する安賃闘争、そこで受ける不当な差別、社内にありながら水俣病に寄り添って行動をしていくようになる筆者の心境や、視点の変化などがつぶさに記されていた。患者さんを撮る時、「目を瞑りながら指だけで撮った」という回想が印象的だった。
趣味で始めた八ミリフィルムの撮影は街の風景や自然を撮っていたが、しだいに水俣病を記録し、そして水俣の自然(シオマネキなど)と撮影するようになっていく、カメラのレンズの向く先にも、とても感じるものがあった。

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