『クィーン・オブ・ダイアモンド』（ニナ・メンケス監督作、1990）見た。
絵の構図作るのはまあまあなんだけど、静止画みたいな絵で延々ショットを持続させすぎ。人には勧められんな…。なんかぼやっとしてた。ベガスの独身貧困女性の生を点描してて、そのざっくりしたスタイルの良さはあるにはあるが、アメリカの文芸向けだとこうなるのかなと。だいたい掴めたが、これは日本漫画で言えばつげ義春枠の大家で、つげはミニシアター映画の隠し参照になりがちだが、この路線を女性がやりきってるのがでかいんだな。

『ブレインウォッシュ』（2022）が最新作で、フェミニストや理論家も登場するドキュメンタリーか。

@ttt_cellule 『クイーン・オブ・ダイアモンド』わたしも見たのですが、退屈な映画なんですが、それが狙いだと思って面白く見ました。
主人公の女性がカジノのテーブルについて客を待っている図は、エドゥアール・マネの「フォリー・ベルジェールのバー」を参照していると思うのですが、平坦な絵が延々と続く空間に観客を巻き込んで行って、映画が終わるまで出られない。カジノというスペクタクルな空間を退屈極まりない空間として見せて、夢から覚めているのに抜け出せない。
映画の宣伝文句にショットが圧倒的に美しいと書かれていましたが、まったく逆で、美しくない映画として作られた作品なのではないかと感じました。(それって映画として良くないんじゃないかと言われたらぐうの音も出ませんが…)

@miyarisayu アトラクションを減らすことで抵抗、なのはすぐわかるんだけど、そうなると単に平坦なことやっていればよくなるので、工夫がなくなるのが困るところかなと。

@ttt_cellule あぁ…

@miyarisayu 「マグダレーナ・ヴィラガ」見た。こっちの方がフォリー・ベルジェールのバーかな。メンケスの作り方はこっちからの方がわかりやすく、フォトロマンの静止画の周りに数行の文章を置いて絵を生かすのに似てるんだね。ショットの中で構図変化や動作を際立たせる操作がほとんどないのもそこからか、と。絵作りをアレゴリーっぽく仕込んでると思うと、腑に落ちたし、物体やマネキンみたいな演出も生きてるなーと。

@ttt_cellule なるほどーーと思いました。とくに"フォトロマンの静止画の周りに数行の文章を置いて絵を生かす"そうですね。たしかに「マグダレーナ・ヴィラガ」のほうが成功していると思います。内容もはっきりしていて、絵・動作・言葉の反復が効いてます。
個人的は、マグダレーナの緊張感よりも、クイーン・オブ・ダイヤモンドの弛緩したかんじの方が好きではあります。後者の、主役の女性が風景から浮いているように見え、無駄かもしれない抵抗をし続けている感じが。(ぼんやりした言い方ですみません)
クイーンの方が後の作品なんですね。逆かと思っていました。

@miyarisayu クィーンはマグダレーナの後で見ると、「もはやいちいちセックスシーンを入れなくてもできる」といった展開に見えるから、先にマグダレーナを見ときゃよかったと思った。なのでクィーンのやりたかったこともより明確に見えてきたかな