で、そこから翻って、私の最初の着眼点である「名端をゲイだと確定させる描写を削ってるのが現在のうまい調整に見えた。10年前だったら発言か何かで確定させるだろうな。ゲイだと確定させると、「あくまでセクマイがキレのいいことを言ってるだけ」「名端は主人公のことが好きだったんだろ」に”還元”される力が強まる(実際にそういうコメすら目に留まる)。それを逸らしたんだろう」を読み返すと、この指摘がすでに状況を戯画的に活写していることに気づいた。
作品そのものは「こっちはレギュラー・あっちはイレギュラー」という線引きを回避しようとあれこれ工夫している(カジさんは風俗を求めておらず、単にカケルが空回りしているとか)。にもかかわらず、読者が「〜〜はイレギュラーだ!」探しと「俺はレギュラー・イレギュラーを見分けられる!」判定のプレイに爆走しはじめるわけだ。反応の方が「低質な作品」みたいになっている。