ほぼほぼ化け猫あんずちゃんの冒頭シチュのIF
"【なぜ】児童相談所に「子供を預かって」高齢両親にも断られ…5歳娘とダム湖で身投げし“無理心中”か シングルファーザーの父娘に起きた悲劇
直前に児童相談所に「精神的にしんどいので子供を預かってほしい」などと相談。
父子家庭の社会的孤立の課題、急を要する問題です😢
https://nordot.app/1189719943148585664?c=768367547562557440 "
ヒロインクズ実父を追加したことで、あんずちゃんの見え方が遡及的にいろいろ変化したのだが、善のクズ化け猫と憎めない程度のちょい悪実父の二人が分身のように見える。貧困クズという目で見ると、あんずちゃんもわりと真・パーフェクトデイズとして位置付けることができるだろう。
もともとのあんずちゃん脚本発案にはプロデューサーの近藤(いまおかしんじの教え子)がいまおか脚本の「苦役列車」要素を入れましょうといい出したことにあるんだが、そこで考えると、山下監督&いまおか脚本の映画版「苦役列車」こそがパーフェクトデイズ前駆体かもしれない。
いましろ原作、いまおか脚本、山下監督(実写)、久野遥子によるアニメ監督、とごちゃごちゃしてるのに分裂感が全然ないのもすごい。
あんずちゃんからトトロ方向を消して、無頼文学化するとこっちかな
“愚か者同盟は良い子の必読書 主人公は大学院修士持ち働かないでワケわからんことしている30歳無職 そんな彼は金が必要になりブラック労働に参戦し他の奇人変人も巻き込んで滅茶苦茶する話”
https://x.com/wakaba378/status/1812894750707753446?s=46&t=5mSltbi1UVoy9J3RPXDKUQ
化け猫あんずちゃん未見層に説明するよい例えが浮かんだが、となりのトトロと万引き家族を足して割った作品だな。
元々のいましろたかしのマンガでは化け猫おっさんの居候生活に、作者の分身の匂いを感じさせるものがあった(しかしコミックボンボン掲載であることを考えると、不思議おっさん生物を使って、のび太なしでオバQやドラえもんめいたことをやるという企図だったとも推察される……)。
その化け猫あんずちゃんの中心性をちょっとずらして、主人公女児(クズな親に振り回されて、母も死んでるので序盤は終始キレてるし不機嫌)を加えることで、トトロにおけるトトロ/メイとさつきの構図を一気に構築している。そこでトトロの古さを万引き家族的貧困要素で塗り替え、宮崎駿の有害性を久野遥子の技量で全部潰すことに成功。
原作あんずちゃんの主体性・中心性は失われたが、万引き家族の群像劇のめいたものに作り変えることができている。いましろたかし要素が、いわば万引き家族におけるリリーフランキーになれた、というのが面白いんだろう。そういう計算で見ると、いましろ成分を損なうことに対してはむしろ相当気を遣ってるのがわかる。