主人公の行動原理は、狩人だとか森の人とかですらなくて、わりと虫みたいなもので、外来者が踏み込んできたから迎撃しただけにも思える。つまり実質ポストアポカリプス映画ですな。

黒沢清の役所広司や哀川翔の現代的読み替え。まあ黒沢主人公ですでに無敵の人っぽいんだが…

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湧水うどん屋がいわば地方におけるミニシアターで外から来るコンサルがシネコンだか、実は両方ともよそ者かつ、濱口竜介にとっては片方を悪にするわけにはいかんので、全部「衰退日本」にする、というのが今作の落とし所。タイトルやコピーの悪や君はそのへんの落とし所ナラティブの導線狙い。でももっと良い解答もありうるかもなーというのが私の感想かな。
見世物要素が濱口竜介には足りないのかもしれない。

父娘間の霊的伝授の要素があって、タクミが虫のような即時的反応行動をするのも伝授の障害とみなしたからだが、この関係が友達との会話一つない娘の描写を要請してる。その結果「父親視点で描いた『エルスール』」っぽさがあるが、そのジェンダー秩序をもっと操作した方が良かったのでは?とも思えた

説明会といいzoom会議といい、会話劇が権力関係を示唆するというふうに使われるようになったのかー、とは思った。ハッピーアワーの頃にはそこまでではなかったはず。ここはポテンシャルかも。

高速道路を走る芸能事務所コンビの車中会話は二人な「これからどうするか」を語るが、タクミや町の住人は未来の語りを持たないというのも対比。タクミは過去しか示唆されないし、狩人っぽい外界認知と対応の系列にはほぼ現在しかない。

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