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井川ちとせ「リアリズムとモダニズム 英文学の単線的発展史を脱文脈化する」
hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/herm

イギリスのロウブラウ雑誌をミドルブラウにして道徳的名声を高める努力の過程でアーノルド・ベネットというミドルブラウ作家が活躍し、ベネットはハイブラウ作家からは舐められてたけど、イギリスでユリシーズやドストエフスキー英訳(どっちもハイブラウ枠)が読まれるのを後押しした、という「ちょっとおもろい話」がある。

ベネットはなんか「道徳的名声を得るには中道右派だぞ!タブロイドは卒業しろ」とか助言してたとか、ウィンダム・ルイス(ハイブラウ右翼芸術家)と接点もあったなどと記されている。

これを安く買ったんだが、序文の一人が井川だった。

『英国ミドルブラウ文化研究の挑戦』(中央大学出版部、2018)
ajup-net.com/bd/isbn978-4-8057

イギリス文芸文化におけるミドルブラウカルチャーや教養主義に相当する動きの研究者ってことになるんだろうな。
soc.hit-u.ac.jp/teaching_staff

前述の論文でも、ヴァージニア・ウルフの「女が執筆するには年500ポンド」は、給与所得ですらなく不労所得だと指摘しているし、金銭感覚といい発想といい労働者階級を無視するエスタブに都合の良すぎるのではないか、ミドルからロウの階級の人間がブルームズベリー・グループの価値観に殉じていいのかといった疑念がありそうだった。

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