このまとめはざっと読んだが、最初は「書き手の男女で差があるぞ…女性はYAや少女小説のミームをいじるし、男性はエロコンテンツ〜ラノベ〜青年誌のミームをいじる。女性向けなら友達モチーフけっこうあるやん!」とか思った。
が、もっと別の問いを立てることも可能だ。
だが、このロマンスか非ロマンスで分かれるという、一見説得力がありそうな見立ても、考え直すと揺れてくる。なぜならロマンスだろうとなかろうと「下男・秘書・部下・執事・侍女との友好関係」なら、大半の作品で見られるからだ。
これが【同僚・上司部下・主従のカテゴリーと友達は排他的ではない】で別解を出す案。
すると、まとめの第一声の想定している「友達」なるものが学校生活や同級生を描く秩序を前提としているのではないか?という疑問に突き当たる。遡ると、少年誌のスポーツジャンルやバトルジャンルを暗黙に自明視して、それ以外を友達とみなしていないだけなのではないか?となる。
これは、【「友達」というイメージにジャンル秩序が先行している】という見解に整理される
さらには、現在のなろう&異世界ものは、大筋にはフィクションのメジャーシーンにまで少しずつ食い込んできているのだが、メジャーで売るために「学園ものっぽい友達要素」も加味されることが多い。
そういう意味でも「現在はまとめツイートが言ってる不満対象がまさに調整段階に入ってて変動中なので、とっととその情勢をリサーチすべきなのにできてない」という欠点が露呈している。
ぱっと思いつくだけでも、『シャングリラフロンティア』(なろう。漫画版が週マガ連載)、『七つの魔剣が支配する』(ラノベ)、『昔勇者で今は骨』(ラノベ)には友達キャラがいる。
シャンフロは「ゲーム友達」を個々のゲームをまたがってつるむ間柄として召喚しているので、非同級生枠を伸ばす工夫。魔剣は学園で復讐ものをやる。骨は、主人公はスケルトンなので準主人公である村娘が王都の魔法学園に進んで友達を作る。
少年誌向けの調整はすでに蓄積されていて、そういう上位互換狙いトライアルはラノベなどでわりと起きやすい(なろうは環境がわりと腐ってるので、腕があるならエッセンスを改造してサイトに投稿するのではなく、新人賞に応募するので)。