赤毛のアンといえば、92年頃の雑誌イマーゴを手にして読んでいたら、そこに著作『「赤毛のアン」の秘密』に結実する前の小倉千加子のモンゴメリ論の連載があって、かなり議論が面白くて単行本読もうかなとなったな。
モンゴメリの自伝色彩のつよい『エミリーはのぼる』で、未婚女性になるかもしれないリスクを背負ってでも、若い編集者の誘いに乗ってニューヨークに移り、プロになるかどうかを悩み始めたときから、住んでる土地が美化されはじめ、ニューヨークに行くのを断って生まれた土地で書くのを選ぶ場面をめぐってこんな記述で、容赦ねえ!とビビった。
このへんもおもろい。モンゴメリの祖父はイギリス寄り政策、父はアメリカ寄りを選んでいたためにカナダの不安定な立場が親子関係に凝縮されており、そこでモンゴメリはドメスティック愛国者であることを選んでニューヨークに行かなかったのだと。引き金は、同郷でいまではニューヨークで働く女性編集者が、故郷の政治的争点にもはや関心を払おうともしなかったのを目の当たりにしたことだという。
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