ジャンジャックルセルクルのフランケンシュタイン論はやっぱ面白い。
直接なにかに使える・いまなおアクチュアルというよりは、かつて成立した型について考えさせられる。
たとえば「メアリー・シェリーって親は左翼だったけど反動じゃね?」といったルセルクルの疑念も、現在の英文学保守が主流となった秩序では忘れされた視点だなと考えさせられる(つまりメアリーシェリーとオースティンが掲げられる秩序に対する別の補助線になる)。
アシモフがフランケンシュタインものをこき下ろしたことでフランケンシュタイン論はロボット論になりやすいのだが、ルセルクルはむしろフランス革命ショックから20年程度という
歴史的条件への認識が武器になっている。
といっても別に池田理代子が革命左翼かというと、そんなことはないのだが。