ふと気づいたけど、「物語の展開を予期するし、ゆえにそれが覆るのが面白い」的姿勢って、ゲームプレイと相性のいい作品読解なんだな。
たまーーに、この手のスキルとジョブによる予期を意識したなろう作品がある。ただ、ジョブとかスキル記述で、後で「じゃあこんな運用も可能だろ?」と持っていく作品は希少な方か。

ここでなろうが、ファンタジーや民話や神話と真逆の性質を持つ。
民話や神話好きはむしろテンプレを守ってほしい人が多数なんだろう。それに対して、擬似伝統をゲームの人工性で覆す構図をとる。

つまり、展開予期のもつ特性は物語とゲームプレイで共通するので、「ゲームスペシフィックなものの物語への翻案」として手堅い系統になる。

『黄金の経験値』は、全体的に、話の進行と地の文の分量がもったりしていて退屈なのが弱点なんだけど、「描写」みたいな熱量でスキルやらジョブやらの細かい話を逐一したがるからそうなるんだわーと気づいた。

小説におけるかつての描写美学の転位が起きとるな。

kadokawabooks.jp/product/ougon

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冨樫義博漫画がしばしば「展開予想をしている人ほど、絶妙な外し方によって魅了される」と評されるのは、この種ゲーム的読解と関係しているんだろう。
(たとえばこの記事でその評価点が強調されている note.com/yomooog/n/na42399ea52

なろう作品で頻繁に出てくるジョブ進化やスキルツリーの発展や、スキルのアンロック展開も、「じゃあもっとこの先に何かすごいスキルが?」と喚起する面があるため、ゲームの予期をくすぐるのだと思われる。武器開発のツリーや、マイクラ的素材開発、アトリエシリーズ的道具開発もそうか。

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