造形把握と批評理論と左派的視座を備えるプレイヤー、というだけでも日本ではかなり数が限られてしまい、左派政治主義はしばしば造形や批評言語が欠落していたり、その逆、というふうになりがちだった。
そこで日本にちょうど欠けているが面白いのがベンジャミン・H・D・ブクロー。日本語だとリヒター解説者のように思われがちだが、ART SINCE 1900の項目では時折光る記事を残している。アルテポーヴェラの解説なんかがわりと良かった。
まあART SINCE 1900は「自覚せるアメリカ中心主義」なので、東アジアと植民地主義的帝国主義の直接の示唆にはならないが。