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治部れんげの推しの子褒め記事に関して、ジャンプ系でジェンダー批評から褒められるなんて、という意見を見たけど、いまのジャンプは林士平もいるんだし、そんなものでは。

林については、ポスト「進撃における朴鐘顕」かなと横目で見ていた。青エクの立ち上げ人だけど、青エク島根編で被差別要素が入るのも林が契機なんじゃないかと推定している(特に証拠はない)。

画像はSPURでやっている連載だけど(テキストは鳥澤光)、ジェンダー主題など目配せが鋭く、現代漫画読者って感じがよく出ている。

「ジャンプ系で~」反応の背景にあるのは、週ジャンはラッキースケベコンテンツでそういう悪評がある(GANTZを含めるとヤンジャンも?)ことに依拠しているわけだけど、それは単に「SNSオピニオンはジャンプぐらいしか知らない」という途方もない無知状態に根ざしている。

その理屈で言ったら宝石の国とかブルーピリオドがアフタから出ていることも「ペドとリョナが多かったアフタ作品がジェンダー批評で褒められるなんて~」ぐらいの反応をすべきなので。(古くは小川幸辰『エンブリヲ』、岩明均、園田健一、惣本蒼、熊倉隆敏まで広くまたがる。「それと同時に」女性作家起用の拡大をし続け、漆原友紀、ひぐちアサ、ヤマシタトモコや市川春子、椎名うみなどを看板にしていったのが今を生んでいるのだが)。

で、編集者・林士平はとっくにそのフェイズ対応済みのプレイヤーで、ジャンプスクエアが青エクとか終わりのセラフをやってた段階で、女性オタク客獲得技法の蓄積がけっこう溜まっていると思われるし(KADOKAWAに対する相対的優位やスクエニのガンガン系列マーケットを食う作戦でもあった)、その延長に約束のネバーランドがあったと見たほうがつながる。

週ジャンは女性客攻略の作戦を更新しつづけているんだが、アクタージュの事件の際の不手際や編集部に女性がいない限界の方が目につくしあからさまな失点なので、ニュースとしてバズりやすいし、作品の変遷は無視されやすいんだろう。

週ジャンが「創刊初期からハレンチ学園を載せていた」ことをアイデンティティとみなすならばラッキースケベコンテンツを手放すことはない(が、他方で約ネバのような作品も定期的に出す)、とこの3年ぐらいは見ていた。

が、あやかしトライアングルをあっさりジャンプラに移籍させたことで、ジャンプ本誌とジャンプラの役割分担がどうなるのかはまだまだ先が見えないところもある。

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