「からかさ桜」は、7日に木馬亭の澤恵子さんで聴いたばかりだったので驚いた。亡くなった澤孝子師匠の持ちネタで、お弟子さんはみなやるが、生前勝千代さんも「やっていいわよ」と許可をもらっていたとか。とはいえさすがに木馬亭ではかけにくいらしく、なんとこの日が初披露。でも、そうとはまったく思えないすばらしい一席だった。「この噺には浪曲のエッセンスがすべて詰まっている」とおっしゃるだけあって、数奇な運命と奇跡の出会い、笑いに涙、そして「生きていればいつかいいことあるよね」と思わせてくれる温かさが、ダイナミックな関東節に乗って本当によかった。これ、いい噺だ。落語にしても受けそう。ぜひまた聴きたい。
次回の5/19の会には、ご通家の皆さんがおおおおと唸ったスペシャルな一席が聞けそう。昭和に歌謡浪曲で一世を風靡し、1982年に亡くなっている天津羽衣(あまつはごろも)さんから、生前持ちネタをやっていいとお許しをいただいていたらしい。勝千代さんが十代の頃、妹さんの三味線と一緒に少女浪曲デュオとして活動していたときのこととか。こんな感じ、と一節口ずさんでくれたが、まさしく天女の羽衣のような信じがたいほど軽やかで細やかな節回し。こちらは関西節なのだそう。今からすごく楽しみ。
(と、書いてはみたものの、まだ関東節と関西節がよくわかっていない初心者マークw)