#落語
2023年5月9日(火)2日目のさん喬あわせ鏡~古典部屋~へ
きのうとは違った意味で凄い会だった。柔らかな柳の枝のようなしなやかさの陰にある、さん喬師匠の凄みを見た思い。
開口一番 左ん坊「出来心」
さん喬「らくだ」
さん喬「死神」
~仲入り~
さん喬「百年目」
さん喬「らくだ」
いつもの鞍馬獅子の出囃子ではなく、唄付きのかんかんのうで登場。もしやと思ったら、マクラをいっさい振らずに「らくだ」へ。まるで、会場に残っていた昨日の余韻を吹き飛ばすかのように。昨日も来た人は、昨日の三席目からの流れを感じてくすくす笑った(わたしも)けど、すぐに話の世界に引き込まれる。らくだは11年ぶりで、らくだの死体も演じるところが面白い。といいつつ、ほかの人では1回くらいしか聴いたことがないので、本当にわたしの落語人生は偏っているんだなあ。それはさておき、酔ってしだいに豹変していく屑屋のさまは何度見ても見事。
「百年目」は今年何度も聞いているけど、今回のがフルレングスという感じでたっぷり。花見の場面では三味線も入り、なんだか会場全体が屋形船になったような、隅田の涼しい川風が吹き抜けるかのようだった。旦那の思いにほろりとし、温かい気持ちで、また2日間の凄い会を見届けた充実感いっぱいで、意気揚々と会場を出たら、思いきり方向を間違えて、(徒歩2分のはずの)駅までぐるぐる迷ってしまった(涙)。碁盤の目状の町並みって、ほんとに良し悪しだわ。