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「骨と十字架」みました。 

学問と信仰の板挟みになり、その二項対立の話になるかと思いきや、ひとつも思い通りになんかならない男の透明な眼差しにどうしようもなく焦がれる人々の話になっていきました。

全員よいのですが、リサン…すごかったです。口角を片方あげる仕草のなんとはまっていること。ペシミストを気取るひとがなりふり構わず、大きな声でもって看破しようとしてしまう、無駄なあがきのみっともない愛おしさよ。

自分の手足として、みくびりながら6年もの間目をかけていた男が、とうに自分の遥か先を見据え、つゆほども自分のことなど見ていなかった。むしろ誰のことも見ておらず、1人で行こうとしていることに気がついたときの愕然。

それにしてもカソックと煙草の組み合わせには、マリアージュという言葉が浮かんでしまいました。凄…。こんな凄い絵を見せていただいていいんですか?の気持ちでいっぱい。

あと、まるで思想の立つ座標が違うと思っていた人と、ひととき同じものを見た記憶を共有する話はとてもいいなと思いました。現実でもごく稀にそういうことがありますね。

考えるだけでぼんやりしてしまうのですが、しばしこのぼんやりの中で過ごそうと思います。凄かったです。

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