『ハイファに戻って』ガッサーン・カナファーニー
「いつになったらあなた方は、他人の弱さ、他人の過ちを自分の立場を有利にするための口実に使うのをやめるのか。人間はそれ自体が問題を体現している存在だ、人間の犯し得る最大の罪は他人の弱さや過ちが自らの間違いと罪とを正当化すると考えることなのだ。」
“彼らが問うているのは、なぜ歴史の犠牲者であるユダヤ人(その一部)が加害者に転じえたのかという問題だけではない。いかにして人類が「犠牲者が加害者に転化する弁証法」を超えうるかということなのだ。西欧反ユダヤ主義とナチズムの遺産を背負わされた彼らは、それにもかかわらず、あるいはそれだからこそ、人類の文明そのものを救うために苦悩しているのである。
カナファーニーたちの問いかけを人類が真に受け止める日まで、彼らの闘争はさまざまに形を変えるにせよ、終わることはない。”
ガッサーン・カナファーニー
パレスチナ人をくっきり形象化する(徐京植)
『二十世紀の千人 言葉の力に挑む人々 7』
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