ノーベル賞のハン・ガンさん おめでとうの後で 斎藤真理子さん寄稿https://www.asahi.com/articles/ASSBJ2RKQSBJUCVL048M.html
「歴史的トラウマに立ち向かい、人間の命のはかなさをあらわにした強烈な詩的散文」
“詩的散文とはどういうことだろうか。それは単に、語彙(ごい)や表現が詩のようだということではない。生と死の境界、夢と現実の境界を突破する、繊細にして強靱(きょうじん)な文体が評価されたのだ。”
“日本による植民地支配、南北分断、朝鮮戦争、そして軍事独裁政権による人権弾圧。韓国の現代史は満身創痍(そうい)である。その中で長い間、詩人の想像力は武器であり、希望だった。ハン・ガンももともとは詩人で、デビューしたのも小説より詩が先である。”
“作家は決して国籍や出生地に縛られない。”とは私は思わない。