“加藤 日本やヨーロッパと違って、アメリカには今でもクレドが生きているんじゃないですか。
丸山 そのクレドが一面では、マッカーシズムのような形で出るけれどね。
加藤 それでも、一人でそれに反対するのがずいぶんいたと思うんですよ。ヴィエトナム問題でもそうですが、自由とか正義とかの信念に基づいて一人で立ちあがる。価値を内在化したという意味での個人ですね。それがアメリカにはずいぶんあると思うな。ペンタゴン・ペイパーを出した記者にしてもね。日本と違うんだ。「みんなで」反対しましょうとか、「みんなで」賛成しましょうよか、いうんじゃなくて、個人の信念で反対する。あれはすごいと思う。”
『歴史・科学・現代 加藤周一対談集』https://satotarokarinona.blog.fc2.com/blog-entry-1435.html