[寄稿]日本知識人の覚醒を促す 和田春樹先生への手紙(2)
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“日本では東西対立時代の終焉は「脱イデオロギー時代」という浅薄な決まり文句とともに、進歩的リベラル勢力の自己解体という方向で進行しました。社会党・総評ブロックそのものが「55年体制」と称する旧体制に依存してきたことは事実ですが、そのような社会変動の中で新しく進歩的勢力を結集する代案を提示することができないまま、すすんで自壊の道を選んだことが致命的でした。社会党は小選挙区制を受け入れ、自民党との連立も喜々として受け入れました。一貫して国家主義に抵抗してきた日本教職員組合(日教組)は方針を転換し、学校行事での国旗掲揚、国歌斉唱を容認しました。その際につねに言い交された決まり文句は「時代は変わった。もうイデオロギーの時代ではない」というものでした。進歩勢力がみずから「脱イデオロギー」と称して理念や理想を捨てていたとき、右派勢力はむしろ国家主義イデオロギーの砦を固めて反攻の機会をうかがっていたということになります。”
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