“この日本の「仮放免」「在留特別許可」という不思議な制度も、淵源をたどれば、戦後日本で朝鮮半島を中心とする旧植民地出身者を「外国人」として扱い始め、彼らを管理する網の目の権力が入管という施設とその外側に幾重にも張りめぐらされていく過程で作り出された制度であることが本書では丁寧に描かれます。
21世紀になってなお繰り返される入管での人権侵害が、1950年代前半の時期に作らせた制度とその実務にあたった現場の人々によって作り出された「日本人」と「外国人」の境界設定から脈々と連なっているとなれば、みなさんの「入管問題」の見え方は変わってくるのではないでしょうか。”
日本の「入管問題」の淵源を探るために―貴堂嘉之さん評『出入国管理の社会史』
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