そんなハドゥに運命的な出会いが訪れる。嵐の中、雨宿りをしに1人の冒険者が自分のテントにやってきた。それがクーだった。
雨宿りのお礼として食糧や素材の提供を受け、ハドゥは渋々滞在を認める。その日はただそれだけだった。
しばらくの後、2人はクルザスで再会する。ハドゥがリスキーモブに嬲り殺しにされそうな時、どこからか現れたクーがそこに割って入り、たった1人で返り討ちにした。
ハドゥはクーの暴力を間近で感じた。クーが繰り出す技と殺意に、ハドゥは初めて暴力に希望的な感情を見出す。彼女が見せるこの破壊は、自分の見ている世界も壊してくれるだろうと直感した。ハドゥはそこで恋に落ちた。
とはいえ、クーはまるきり無傷というわけでは無かった。雪吹き荒ぶ極寒の地で、2人は這々の体で崖下の横穴に避難する。
クーの治癒魔法であらかたの傷を癒したものの、クルザスの寒気は2人を骨の芯から冷やした。命の危機と凍えから、肌を重ねる。
そうして一夜を過ごし、ハドゥはもはやクーから離れがたい感情を得てしまっていた。「このクソ世界をぶっ壊してくれるのは、きっとこの子だ。」
ハドゥはクーの旅路への同行を懇願する。しかし、身を護る術を身につけてからというクーの提案により、ひとまず呪術師ギルドへ案内される。
ハドゥは自分の魔力で戦う術を学び、同時に魔法全般への興味を得た。しばらくの後、ギルドマスターのお墨付きを得てクーの旅路へ合流する。