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20230513「AIR/エア」(捏造) 

「俺にはこの仕事しかない。けど、それができるのはお前のおかげだし……」
そう言葉にしたのは酒の力以外の何物でもなかった。
相変わらずはだしでだらしなくソファに伸びていた彼はちらりと驚いたような顔をして、それから小さく笑った。
「その2つは実際その通りだけど。
……じゃあお前の存在は俺にかかってるんだな、ってことになるな?」

否定しろよ?
彼の目はそう言っているように見えた。
もちろんそうするべきだろう。
けど実際のところ、その通りじゃないか?

俺は首を振るでも頷くでもなく、ただそれまでの会話とはまるで脈絡なく聞こえる言葉を返した。
「今日は特別な日だし。……一人であの部屋に帰りたくない気分なんだ」
ビデオテープが積み上がった、物置みたいな部屋だ。誰かが訪ねてきたこともない。もう何年も。

彼は黙って、放り出されていた長い脚を戻し、そして黙って立ち上がって上着に手を伸ばした。
「帰る?」
「ああ。おまえを連れてな」

5/13「AIR/エア」
そういう映画じゃなかった?(捏造だけど)

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