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以前から読みたかった、ロバート・L・フォワードの短編「歌うダイヤモンド」"The Singing Diamond"(伊藤典夫=訳, 『オムニ(日本版)』1983年7月号掲載)を入手したので読んだ。
小惑星探鉱屋の主人公が見つけた小惑星にソナーマッピング装置を取り付けて内部の鉱床を探っていると、なんと歌声が聞こえてきた。彼女はその正体を探るが……という話。

調べると、フォワードの短編は2編しか訳されていない。
ameqlist.com/sff/forward.htm

ということで書庫から発掘したロバート・L・フォワードの短編集『Indistinguishable from Magic』。実はこれ『Future Magic』(邦訳『SFはどこまで実現するか』)の後継本なんだけど、科学解説だけじゃなくてSF短編も8編収録されていて、ISFDBだと短編集扱い。
isfdb.org/cgi-bin/pl.cgi?18202

収録作のうち、反物質技術が普及した世界を描いた短編 "Turn Left at the Moon" はBaen Books社のSampleページで読める。作中、あまりに手軽に反物質を使いまくっていて笑えてくる。
baen.com/indistinguishable-fro
残りの短編もぼちぼち読みたいところ……。

『Mirror Matter』はJoel Davisとの共著で、反物質についての解説書。元々John Wiley & Sons社からハードカバーで出ていたが、今は自費出版事業を手掛けるiUniverse社のプリント・オン・デマンド本として出ている。
反物質の製造方法、貯蔵技術、反物質分子、反水素氷、反物質ロケット、そこからの太陽系開拓と恒星間航行までを扱っている。
フォワードは反物質(antimatter)の「anti」という接頭辞で否定的な印象を持たれたくないので、通常の物質の鏡像ということから「mirror matter」という独自用語を使っている。ただし現在「ミラーマター」というのは反物質ではなく別のものを指す用語になっているので、そのへんは紛らわしい。
ja.wikipedia.org/wiki/ミラーマター
前述の短編 "Turn Left at the Moon" が章と章の間に分割されて載っているけど、『Indistinguishable from Magic』収録バージョンより短いらしい。
amazon.co.jp/dp/0595198171

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