ようやくNetflixで『喪う』観た。とても舞台劇っぽい。しかもチェーホフっぽい(自分はニワカだし「三人姉妹」は未読だが)。いわゆる「チェーホフの銃」に当たるのは、どっしり置かれた父の愛用ソファかしらん。同時に、いつ来るかわからないそれを待つ「ゴドー」も思わせるけど、それがちゃんと来るんだから面白い。
ファミリードラマによくある葬式ものと違って、待機状態なのが絶妙。同フレームに入れず律儀に1人ずつカットを割った会話はダイアローグというよりモノローグのようで、順にスポットライトを当てるみたいで…あの「ずっと一緒に育ってはいない」関係も絶妙で、自分にはわかりみ深かった。別れを前にして何か進展変化したとかでなくて、姉妹(His Three Daughters)になったから別れが来る奇跡。キャリー・クーン、ナターシャ・リオン、エリザベス・オルセンがもう奇跡。とりわけエリザベス・オルセンが好きだなあ。いじらしい。