噂の『ザ・キラー』観た。The Smithsの使い方、何度も途切れるじれったさときたら!Please Please Please Let Me Get What I Want!って奴の心の叫びが聴こえてくるようだ。しかもGFは昏睡状態、手袋はめて大口叩く…って、殆ど歌詞通りの、もはやジュークボックス・ミュージカルではないの。なんか一周回ってThe Smithsもこういう(どういう?)扱いになったんだなあ…。フィンチャーにはファン的な思い入れはあんまりなさそうで、しれっと記号に徹した使い方。絶対使うはず!と踏んだあの曲はそこで来たかー。
しかしまあナンセンス。猫に餌をあげるエリオット・グールド(フィリップ・マーロウ)と違って、こちらは猫に餌をあげる女を見る側だ。待てども待てども「ゴドー」は来ない。喋りすぎた男に話し相手はいない。標的は選ばれし者、殺し屋はどこにでもいる「客」。でもオレだって人間なんだ…と、我思うゆえに我あり。これファスベンダーの枯れて疲れた陰気なデッドパンだから可笑し哀しいのだろうねえ。なんか痩せて乾燥して絞りかすみたいになってた。