こちらで23023年の個人的クィアゲーム大賞として『Magic:The Gathering』『Thirsty Suitors』、そして『彼は私の中の少女を犯し尽くした』の3作の短評と総評を書きました。編集の町田さんのよる序文もクィアゲームの熱い誘いで、一緒に寄稿しているラブムーさんとまきちゃんさんによる選も熱いです!4Gamerというゲームメディアの古参の媒体に乗るのもとても大事なことと感じます。
https://www.4gamer.net/games/761/G076106/20231218039/
クィアゲームとしてだけでなく、クィア表象、トランスジェンダー表象として本当に大事な作品の一つだと思います。とても辛いゲームですが、同時にこれはクィアやトランスの人々の間で交わされてきた会話の中にあった、中にしかなかった内容を語るもので、それはまた、本文で書いた通りゲームという形でしか語り得ないものでもあるのだと思います。この作品についてはもっと語りたいんですが、辛いゲームであることを前提に、プレイできる方にはゲームに興味なくてもプレイして欲しい作品。また翻訳についても触れましたが、記事に一緒に寄稿しているラブムーさんを始め、日本語でのクィアなインディゲームへのアクセスは、様々な有志の方の貢献によってなされているのだと思いますし、それ自体が日本のクィアなゲームコミュニティの希望だと思っています。
一方、総評では特にAAAタイトルの翻訳について触れましたが、有志の翻訳がクィアなゲームコミュニティの希望でありながらも、2023年のAAAタイトルの翻訳は日本の大きなゲームコミュニティがクィアを軽視している姿勢を感じざるを得ないものでした。(続く
クィアネスを考えないが故に、ミスジェンダリングになっているような誤訳も多く、訳語の問題も多かったです。AAAではないですが『Goodbye Voclano High』でノンバイナリーのキャラクターが弟から呼ばれる「Sibling」という性別を指さない言葉が「お姉ちゃん」と訳されているのは最悪でした(これはWezzyの連載でも触れました)。まきちゃんさんが書いている通り、日本でクィアなゲーマーをやっていくのは「ハードモード」です。
任天堂にもまきちゃんさんは触れられていましたが、日本の大企業のクィアへの軽視は翻訳にも表れていると思います(逆に日本語から他言語への翻訳でまともなクィア表象が生まれることもあるっぽいです)。これは日本のゲームコミュニティが今後クィアにどう向き合うかという問題を示してもいて、その意味でも4Gamerにこういう記事が出て良かったです。