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「生えば立て、立てば歩めの親心」。暮れのこんな平凡な光景ですら、私を含めてもう二度と手に入らない人は世間には多くおりますし、時局をみるかぎり、これからさらに増えることでしょう。そんなことを思いながらきのうは石化したごまめ(田作り)を一匹一匹しこしこと描いておりました。
「たゞ、玉響の夢ぷち 8」(1/1)
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、玉響の夢

去年のきょう記したとおりに、ことしはさらにさらに価値観の崩壊が相次いだ1年でしたけれども、これもまだたぶん序盤。いま当たり前にあるものが日に日に失われるのは遷ろう刻の道理ながら、その代わりにこの先何がもたらされるのかは、誰にも分かりません。
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(ことし描いたもの1)

ひと一人の頭脳ではとても処理しきれない膨大な量の、時局を巡る情報が日々押し寄せる時代ですが、「家庭の衣と食と住」という、原始的で当たり前な「日々の暮らし」を「すべての人が」「ごく普通に」営める世界かどうかこそ、その最前線にいる私たちが据えるべき本来の価値基準であるべきではないでしょうか。終戦後、「暮しの手帖」を創刊した花森安治の思想でもありました。
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(ことし描いたもの2)

ところが。まさかそんなベーシックなものが失われることなどあるまいとタカをくくって軽んじ続け、暮らしから遊離した中身のない大言壮語をもてあそぶことに耽りつづけた先。「軽薄短小」80年代新人類世代と、その姿に憧れたフォロワー世代である私たちの世代、そしてさらにそのフォロワーとなった世代が社会の大勢を占めるようになった時代だからこそもたらされた、「いま」と「これから」といえるかもしれません。
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(ことし描いたもの3)

ことしは復帰3年目の本職でも、内外でそうしたことを考えざるを得ない局面が多々あり、自治体首長などとの生身の鍔迫り合いもあったりしまして、自分の旗幟をはっきりと示し抗すべきことには抗す1年となりました。ましてやこちらは稼業でもない好き勝手の完全なアマチュア活動ですし、大してない人生の残り時間をどれだけ充てられるかも分からぬこの歳で、いまさら誰かに気兼ねしたところで何の得るところもございません。

ことしもありがとうございました。
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(ことし描いたもの4)

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