裕福な家庭はこうした不都合を低賃金労働者の力を借りて乗り切っている。物事が家庭の手に
余ったり、行政が頼りにならなかったりするとき、アウトソーシングされた社会的再生産の仕事、たとえば手頃な料金の託児先を提供するのは移民、女性、有色人種の男性といった人びとだ。 (…)その点では高等教育を修了するという私自身の「教育」は、少なくとも部分的には、宅配業者や保育士など、仕事内容の割に低賃金な境遇におかれた人びとの存在に依存していた。このことは、ケアワークの公的インフラが不足している中で家計を回していくために自分たちのやっていることが、結局はさまざまなレベルの搾取を強化し、女性の間の格差の拡大につながっていると思い知らされることでもあった。"(レスリー・カーン フェミニスト・シティ p.64)